教員紹介
化学科教員
秋山 隆彦 教授(有機合成化学)
周期律表に並んでいる100以上の元素はみんな違った顔を持っている。これらの元素の内に秘めている特性を掘り起こすことにより新しい金属触媒を設計し、それを利用した新しい有機合成反応を見い出すことは有機合成化学者にとって醍醐味のひとつである。
高い選択性を示す優れた触媒をデザインし、有害物質を用いない地球環境にやさしい有機合成反応の開発に情熱を傾けている。「日夜フラスコに夢を託し、予想もしない新たな反応が進行するのをわくわくしながら待ち構えているんだ。医薬品・農薬などの生理活性を持つ有機化合物の合成も簡単だよ!」と秋山教授は楽しそうに語る。
高い選択性を示す優れた触媒をデザインし、有害物質を用いない地球環境にやさしい有機合成反応の開発に情熱を傾けている。「日夜フラスコに夢を託し、予想もしない新たな反応が進行するのをわくわくしながら待ち構えているんだ。医薬品・農薬などの生理活性を持つ有機化合物の合成も簡単だよ!」と秋山教授は楽しそうに語る。
【受賞歴】有機合成化学協会第一三共・創薬有機化学賞、日本化学会学術賞、名古屋シルバーメダル、アメリカ化学会Arthur.C.Cope Scholar Award、フンボルト賞を受賞
稲熊 宜之 教授(無機化学・無機固体化学)
無機化学はすべての元素を対象にする学問である。人間が個性をもち、環境に大きく影響されるように、各元素も個性をもち、その組み合わせによって生じる物質はさまざまな性質を示す。
稲熊教授は、これまで酸化物を中心にさまざまな新規物質を合成し、その構成元素、結晶構造、化学結合性、物性の相関を明らかにしてきた。特にリチウムイオン伝導性酸化物に関する研究は国内外で注目を集めている。
学生とともに想像力と叡智を結集して、鉱脈を探す山師さながら新規物質の探索に励んでいる。
稲熊教授は、これまで酸化物を中心にさまざまな新規物質を合成し、その構成元素、結晶構造、化学結合性、物性の相関を明らかにしてきた。特にリチウムイオン伝導性酸化物に関する研究は国内外で注目を集めている。
学生とともに想像力と叡智を結集して、鉱脈を探す山師さながら新規物質の探索に励んでいる。
【受賞歴】日本セラミックス協会学術賞を受賞
岩田 耕一 教授(物理化学・分光学)
「フラスコの中の分子たちは、1秒間に10兆回ぶつかっています」とニコニコ話す岩田教授。化学反応が起こる様子を観測してその仕組みを分子レベルで解き明かすために、 10兆分の1秒ごとに測定ができる分光装置を作ってしまうらしい。これまでに、世界最高の性能をもついろいろな分光測定装置を3種類も作ったことがあるという。 「物理化学の研究では、自由な想像と定量的な考察の両方を楽しめます」、「世界中の研究者仲間との付き合いが何よりも楽しくて刺激的です」と、本当に研究が好きな様子。 家庭では、職業をもつ奥さまとの二人三脚で育児に奮闘するよきパパでもある。
【受賞歴】日本分光学会論文賞を受賞
大野 剛 教授(環境地球化学・分析化学)
"我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか"誰しも一度は持つ根源的な問いではないだろうか。私たちの住む地球がどのようにでき、生命がどのような環境で進化してきたのかを解き明かすため、 大野教授は最先端の分析化学を駆使し、学生とともに研究に取り組んでいる。国際的な共同研究により、研究室には世界各地から太古の岩石が運び込まれる。これらの岩石を元素ごとに分離し、さらに高精度質量分析計で 同位体ごとに検出することにより、岩石がいつできたのか、どのような環境でできたのかわかるという。また、最近ではこの質量分析計は福島原発事故に関連する環境放射能研究にも役立っている。
狩野 直和 教授(有機元素化学)
18世紀末頃までは有機化合物をつくるためには「生命の力」が不可欠であると考えられていたが、現代では化学者が神の手を操るかのように結合を組み替えられるようになり、自然界には元々存在しない新しい化合物までも作れるようになった。狩野研究室では元素の周期表で右側にある元素を巧みに使いこなして、新しい構造をもつ化合物を創り出す研究が行われている。通常は不安定で存在できないような分子でも、工夫次第で合成できるそうだ。元素の特性を上手く引き出すと、分子がキラキラと光ることもあるという。新しい化合物を作るだけでは飽きたらず、結合の新種までも創りだしている。
【受賞歴】文部大臣表彰若手科学者賞、ケイ素化学協会奨励賞を受賞
糀谷 浩 准教授(無機化学・地球化学)
太陽系小惑星にサンプルを取りに行けるようになった現在においても、我々が住む地球の深部を構成している物質を直接採取することはできない。それは、地球内部が超高圧高温の世界であることによる。「地球の中はどうなっているのだろう?」この疑問に対し実験的な方法からのアプローチにより研究を行っているのが糀谷研究室である。地球深部を構成していると考えられているケイ酸塩や酸化物などについて、大型プレス装置を用いた高圧高温実験を行ったり、結晶構造や熱振動などの原子スケールでのふるまいを知ることにより、海洋プレートの沈み込みやマントル対流などの大きなスケールの現象を読み解いていく。
【受賞歴】日本鉱物科学会賞を受賞
草間 博之 教授(有機反応化学)
普段あまり気に留めないかもしれないが、現代の豊かな生活は、医薬品等の生理活性物質や機能性材料などをはじめとする様々な有機化合物に支えられて成り立っている。 草間教授はそのような有機化合物を化学合成する際に役立つ、新しい反応の開発を目的として日々研究に励んでいる。例えば、多段階の工程を要していた分子変換を単段階で実現する 反応や、これまで知られていない全く新しい形式の反応を、光や金属触媒の作用を巧みに活かすことで実現しようとしている。複雑な構造をもつ有用化合物が、 「草間反応」を駆使するだけで簡単に合成できる日が来るかもしれない。
【受賞歴】有機合成化学協会奨励賞を受賞
河野 淳也 教授(構造化学)
溶液反応は、化学合成などの分野において広く利用され、生体中でも重要な役割を果たすにもかかわらず、その分子レベルでの詳細は容易に解明されない大問題である。 河野教授は、液体を真空中に導入する特殊な方法を用いて溶液中の分子を気相中に取り出し、溶液反応の微視的解明に取り組んできた。溶液表面で起こる化学反応の 機構解明などの研究成果を生み出した実験装置は、手巻きのコイルなどが接続された手作りの装置であり、アイデアと愛情がこもっている。世界に2つとない装置を駆使 して極微量の液体の反応をレーザー分光や質量分析により観測しながら、溶液とは何かについて考えている。
【受賞歴】日本化学会進歩賞を受賞
齊藤 結花 教授(物理化学)
微小な対象物を観察する方法といえば、電子顕微鏡や走査プロープ顕微鏡を思いうかべるかもしれないが、可視光を使うと私たちが肉眼で顕微鏡を覗いて”見る”のと同じカラフルな画像を得ることができる。 齊藤研究室では従来の光学顕微鏡を拡張して、ナノメートルという微小な空間分解能で試料を観察する先端技術を開発し、ナノ空間における光と電子の相互作用や、構造の隠れた不均一性を検出する研究をしている。 見ることは信じること!自然科学のこの基本に忠実に研究をすすめていくことは、知的好奇心と感性の両方を満たしてくれる。
【受賞歴】日本分光学会奨励賞を受賞