学科・専攻紹介
物理のプロとして世界にひそむ普遍性を探る
物理学科・物理学専攻
研究のレベルは驚くほど高く、同規模の私立大学の中では群を抜いています。
各分野をリードする研究者たちと一緒に未知の世界を旅してみませんか。
物理学科で何を学ぶ?
物理学科に入れば、「本当の物理」を学びます。
ただ公式を覚えて練習問題を解いたり、教科書にのっている法則を確かめる実験をするのでなく、物理のプロとして世界に接する態度を学ぶのです。
それは、 「混沌とした世界の中から、普遍的な構造や法則を学び取り、それを活かして世界を制御する姿勢」と言っていいでしょう。
物理学の対象は、ミクロな原子や素粒子、身の回りの多彩な物質、生命を支える生体分子、そして広大な宇宙にまで及びます。自然にひそむ普遍性を理解することで、幅広い領域を研究の対象にすることができるのです。
学習院大学の物理学科って?
9つの研究室、8名の教授と1名の准教授、8名の助教からなる、比較的小さな物理学科です。
けれど、研究のレベルは驚くほど高く、同規模の私立大学の中では群を抜いています。メンバーのうちの何人かは、分野のリーダーとして世界的に知られる研究者です。
9つの研究室では、応用物理学、物性物理学、量子光学、生物物理学、宇宙論など、幅広い分野をカバーしています。独自の視点でユニークな研究を進める研究室がそろっています。
どういう風に学ぶの?
物理学科の教員は、学生さんたちを「物理の世界を一緒に旅する仲間」だと考えています。楽しく有意義な旅ができるように、丁寧に(時には厳しく)面倒をみます。
1年生から 3年生までのあいだは、講義、演習、学生実験を通じて、物理の基礎をしっかりと学んでもらいます。 特に、自分の目で見て、自分の手を動かして、自分の頭で考えることを重視します。
4年生の卒業研究では、いずれかの研究室に所属し本格的な研究に参加します。特に実験系の研究室では、卒業研究でも十分にオリジナルな研究ができることがあり、4年生が学会や国際会議で発表するということも決して珍しくはありません。
役に立つのかな?
物理学科で学んだことが、社会に出てから、そのままの形で役に立つということは多くないでしょう。
けれど、物理学科では、一流の教員と最先端の研究を一緒に進めていく中で、「困難な課題に直面したとき、原理や基礎に立ち返ってじっくりと方針や対策を練り、それを実行に移して現状を打開していく」という、社会においてもっとも重要な姿勢を学ぶことができます。
今や、どんな職場であろうと、若い頃に身につけた技術や知識は、すぐに古いものになってしまいます。物理学科の卒業生は、新しい局面が訪れても、いつでも基礎に立ち返って考えることができます。また、「どんなに難しい数式を見せられても難しいとは思わない」だけの経験を積んでいるので、新しい理論にも対応することができます。
そういう意味で、物理学科の卒業生は、どんな職場に行っても長年にわたって活躍できるのです。
在校生・卒業生の声
「目的までの通過点」が、
「本当の学びの場」になった瞬間。
物理学科4年生
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高校2年の途中までは、大学では“とりあえず”就職に強そうな機械系のことを学ぼうと思っていました。物理もそのために必要なツールとして考えていて、「得意」ではあったものの、深い興味の対象ではありませんでした。
しかしそんな時、高校の物理の先生が放課後に簡単な量子力学の講義をしてくれました。その時の衝撃は今でも覚えています。
それまで「得意」と思い、直感的に理解していたことが、初めて何を示しているか理解の及ばない式と直面することとなったのです。
そして、どうしてもそれを理解したいという強い思いが芽生え、物理学科に進みました。
現在は、身の回りの不思議に感じていたことが一つひとつ紐解かれ、よくわかるようになるのがとても良かったと感じています。
学習院大学は、先生方と学生との距離がとても近く、講義でわからなかったことも聞きやすく、理解を深められるよい環境だと思います。
また、演習の授業で出た問題を友人と集まって議論を交えながら解くこともあるのですが、特に、解法が複数あるものや難しい問題などは意見に差が出るので楽しい議論になっています。
国際宇宙ステーションの実験に関われる、
貴重な経験。
修士課程2年生
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現在、私が所属している研究室では、国際宇宙ステーションで行う、融けた金属と融けた酸化物の間に働く力である、界面張力の測定に関する実験を計画しています。実際に国際宇宙ステーションで行う実験は回数や時間に制限がある為、国際宇宙ステーションで行う実験と同じ原理の実験を地上で行い、事前に条件の洗い出し等をする必要があります。今私が担当しているのが、この地上での実験になります。
自分の行った実験が、大きなプロジェクトの基礎研究になることにやりがいを感じますし、このような貴重な体験は今しかできないと感じています。
これまで大学(学部)の研究では、先輩や先生に研究の方針や方法を相談しながら進めていました。しかし、大学院に進学してからは、先生に相談しながらも自分で方針を考え、自ら行動を起こして研究を進めていくことがとても増えました。
また、大学院に進学してからは、国際レベルの学会に参加する機会も増え、より多くの人に自分の研究を知ってもらい、議論をするようになりました。
卒業後は、ここで学んだ6年間の経験を活かし、メーカーの研究開発職として人の心に届くモノづくりをしていきたいと思っています。
物理学科の最大の魅力は
先生との距離が近いこと。
卒業生
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学問の知識だけでなく、問題に立ち向かう姿勢やプレゼンテーションの準備などについても、少人数教育のなかで丁寧に(時には厳しく)指導してもらったことを覚えています。社会に出てから、そういう教育の重要性をますます痛感しています。今は後輩たちに「流体力学」を講義していますが、「考える大切さ」を感じてもらうよう心がけています。
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 航空技術部門
1990年3月 | 学習院大学理学部卒業 |
1995年3月 | 東京農工大学大学院博士後期課程修了 |
1995年4月 | 東京大学大学院理学系研究科大学院研究生 |
1995年10月 | 科学技術庁航空宇宙技術研究所科学技術特別研究員 |
1997年10月 | 航空宇宙技術研究所研究員 |
2002年4月 | 独立行政法人航空宇宙技術研究所主任研究員 (2003年10月より独立行政法人宇宙航空研究開発機構と改称) |
2004年4月 | 青山学院大学客員准教授(連携大学院方式)を兼務 |
2017年4月 | 青山学院大学教授に着任 |
2018年4月 | 学習院大学理学部客員教授に着任 |
【業務等】次世代超音速実験機の摩擦抵抗を低減するため、境界層の層流-乱流遷移の研究に従事。「次世代超音速機技術の研究」プロジェクトでは2005年10月に実施した小型超音速実験機の飛行実験で主翼の性能実証を担当。2009年度から流体力学の講義を担当。
【受賞等】社会法団 日本航空宇宙学会 第38期・第39期理事第10回 「空を愛する女性たちを励ます賞」(社会法人 日本女性航空協会)
物理学科・物理学専攻ホームページ
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